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- 新しいタイプの商標 -

商標法で保護する商標の対象を拡充する計画が進められています

新しいタイプの商標

商標法によって従来から保護されている文字や図形からなる商標に加え、商標法で保護する商標の対象を拡充する計画が進められています(平成26年3月11日に関連法案の閣議決定がされました。)。

その理由としては、

①海外において、文字や図形等からなる、いわゆる伝統的な商標の他に、「動き」・「輪郭のない色彩」・「音」等からなる非伝統的商標が保護されており、その動きも広がりつつあること、

②グローバルに事業展開を行っている我が国の企業の中には、言語を超えたブランドメッセージの発信手段や、グローバル市場における有効な模倣品対策として、海外において非伝統的商標の権利を取得し、それを活用している事例が存在する等、非伝統的商標に対する保護のニーズが高まっていることなどがあげられています。

このような状況を踏まえ、現在、我が国においては、以下の新しいタイプの商標が、商標法で保護する商標の対象に追加されるべきであるとして検討されています。

  • 「動き」の商標
    図形等が時間によって変化してみえる商標
  • 「ホログラム」の商標
    物体にレーザー光などを当て、そこから得られる光と、もとの光との干渉パターンを感光材料に記録し、これに別の光を当てて物体の像を再現する方法及びこれを利用した光学技術を利用して図形等が映し出される商標
  • 「輪郭のない色彩」の商標
    図形等と色彩が結合したものではなく、色彩のみからなる商標
  • 「位置」の商標
    図形等の標章と、その付される位置によって構成される商標
  • 「音」の商標
    音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標。例えば、テレビ番組やラジオ番組などで、コマーシャルの開始や、終了などのときに挿入される短い音楽(ジングル)などが想定されています。

※一方、諸外国で商標登録されることがある、「におい」(嗅覚で認識される商標)、「触感」(触覚で認識される商標)、「味」(味覚で認識される商標)等については、現時点では、商標法で保護する商標の対象に追加することは見送られる予定です。

新しいタイプの商標の保護については、その定義・権利範囲の特定方法・登録要件等について、現在も検討がされており、その導入に向けて今後詳細が決定してゆく予定です。

以上は、主に特許庁HPに掲載の、産業構造審議会知的財産分科会による報告書「新しいタイプの商標の保護等のための商標制度の在り方について」より抜粋しました。

詳細については、以下の特許庁HPをご参照ください。

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/shingikai/sangyou_kouzou.htm

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